昨年から企業の不正が盛んに報道されています。
ここに来て日産のゴーン会長逮捕が大きなニュースになっています。
日産も含めこれまでは作る側の現場の不具合問題が主でした。
今度はトップの不正を含めた企業統治の不具合問題です。
ゴーン氏の問題はとうとう経営陣の不具合まで見せてきました。
ここでも感じられるのは、経営者層の無責任感の漂いです。
私が約18年前から感じるのは、政治も企業も含めての無責任さです。
この無責任の空気の漂いが政治や企業、また教育現場、学術現場にも
あるべきはずのシステムを運用させないか、或いは作っていないのではと思っています。
会社や組織で物事がうまく運ばない時、
システムがあるのか、ないのか、
あっても、何らかで、うまく機能していないのか
あっても、間違ったシステムなのか
システムがあっても、正しく運用されていないのか
システムが無視されているのかを見ると良いと思っています。
システムの運用が難しいのは、人間がつくり人間が運用するからです。
それを見せつけた、最たるものは、3.11の原発事故です。
それまでに、各原発で、大事に至らなかった事故や現象で
システムが正しく運用されていないのを見せていました。
小さな企業でも考えられない管理的ミスも見せていました。
ですから、原発稼働の世界一厳しい基準と言われても、そのまま受け取れません。
世界一の厳しい基準を基にしたシステムでも、運用が問題です。
人間はミスする生き物です。原発にはデーター不正で納品された部材が数多く使われています。
今までの企業の不正は、
バブル崩壊後のリストラによる現場熟練者、人手の減少も一因かもしれませんが、
私は、システム運用が不全に陥っている、システム機能失調症と捉えています。
国のトップから企業、教育機関のトップまでの無責任ぶり、
国のトップがシステム(憲法、法律含む)を無視、
或いは自分の都合の良いように運用させる
会社の管理システム(品質管理、生産管理、ISO、GMP、経理財務管理他)を無視、
品質、安全性よりも、利益、効率、生産性、納期を優先してしまった。
私も、効率、生産性、利益を追求していた人間です。
ですが、品質と安全性、衛生性を合わせて追求していました。
食品や薬品、医療に関連したものを作る以上当たり前の事です。
これは、創業者である父の「モノだけを作れば良いと思うな、その中に専門的知識と、親切心を入れて作ろう」の制作者心得が基礎になります。
小さな会社では、不具合品は命とりに繋がります。
会社、経営者、家族も生活が吹っ飛ぶことに繋がります。
機械を、生産を止めたくないのが人情です。
生産停止の条件を決め、口酸っぱく教えて、
製品に、機械にその条件が見えたら生産を停止させました。
上場会社の社長が、会長が、いくら不具合を出そうと
いくら赤字を出そうと、破綻しようと、
形だけにみえる、頭下げてのごめんなさい。
国のトップがいくら失政しようと、災害で死者がでようと、
責任を取って、全財産投げだした話は、聞いたことがありません。
若い時、セミナーで、何から何まで社長の責任と教えられました。
ゴーンさんの様な問題はこれで終わりでしょうか。
国内海外ともに、もう一段上の政治、企業のトップ層の不具合が、
もっと大きなシステム機能失調症を晒してくるような気がします。